ライトアップ in グリーン運動

日本緑内障学会 理事長 山本哲也


 日本緑内障学会は今年から世界緑内障週間(2016年は3月6-12日)に合わせて国内のランドマークとなる施設をグリーンにライトアップする啓発活動(ライトアップinグリーン運動)を展開することになりました。緑内障における啓発活動の意義、従来からの日本緑内障学会の社会的活動を含めてここに紹介します。


Ⅰ.世界緑内障週間と日本緑内障学会の取組み
 世界緑内障週間は2008年から世界一斉に行われている緑内障啓発のための国際的イベントです。現在では毎年3月上旬頃の1週間を世界緑内障週間(World Glaucoma Week)と定め、種々の啓発活動やロビー活動を各国・各地域の実情に合わせて行っています。無料眼科検診、講演会、マスコミを通じての啓発、行進、記念切手の発行、行政府への陳情など、いくつものアイデアが考えられ実行されています。実行組織は世界緑内障連盟(World Glaucoma Association)と緑内障に関する患者団体(世界緑内障患者連盟(World Glaucoma Patients Association))です。日本からは学会としての日本緑内障学会と患者団体としての緑内障フレンドネットワークが組織に加わっています。世界の活動は世界緑内障週間のホームページで概要を知ることができます。
  日本における世界緑内障週間における啓発活動は世界の動きと同調してその第1回(2008年)から行われてきました。従来の活動は講演会(東京、多治見、大阪)と眼科検診(多治見)でした。東京では緑内障フレンドネットワークと日本緑内障学会が協力して一般市民向けの講演会を2008年から毎年続けていますし、大阪でも同様に2013年と2014年の2回実施しました。多治見市では日本緑内障学会が多治見市、多治見ライオンズクラブと協力して2008年から毎年、目の健康講座と眼科検診を中心に啓発活動を実施しています。
 こうした取り組みはもちろん成果があがっていますが、どうしても対象者の限定された患者および関係者に対する活動になりがちです。そこで昨2015年新しい取り組みを試みることにし、数施設でのグリーンライトアップを実施しました。結果として、一部のマスコミに取り上げられたこともあり、一般市民に対する啓発効果が思いのほか大きそうであるということが判明しました。そこで、本年から正式に学会の公式事業として実施することといたしました。


Ⅱ.ライトアップ in グリーン運動
 疾患に関連したライトアップの運動としては乳がん啓発活動としての「ピンク」が有名です。緑内障なので「グリーン」というのは一般市民にとってもとてもわかりやすいと思います。昨年は3月8-14日にかけて試験的に全国5か所(札幌テレビ塔、虎ノ門ヒルズ、名古屋テレビ塔、多治見市役所、大阪通天閣)でグリーンのライトアップを実施しました。
 その費用対効果を検討したのち、本年から正式に継続的に実施することとしました。幸いにして日本眼科医会、日本眼科学会の両団体にご理解をいただき後援をいただくことができ感謝しています。2016年の世界緑内障週間は3月6日から12日です。全国を北から南に日替わりで光を繋ぎ、効果の高い啓発活動を行う計画です。詳細はライトアップinグリーン実行委員会(委員長:桑山泰明日本緑内障学会理事)が決定しています。実行委員会は日本緑内障学会、緑内障フレンドネットワーク、関連企業関係者から構成され、実務的な内容を審議し、啓発効果を最大化するように広報・告知活動を含めて検討しています。日本緑内障学会会員の一部から自発的に自施設をライトアップする意向も表明されています。


Ⅲ.緑内障啓発活動の必要性
 緑内障は我が国における中途失明原因の第一位です。けれども我々日本緑内障学会はこの不名誉な状況は近い将来脱することができると信じています。その背景にあるのは近年における緑内障の診断と治療の進歩です。OCTを含む眼底検査により極早期の緑内障の診断率は格段に向上しました。多くの点眼薬の登場により、より低い眼圧レベルに保つことが可能になっています。緑内障手術の進歩も著明です。したがって早期に診断された緑内障が高度視機能障害をきたす確率は今後大幅に低下していくと考えられます。ただし、問題が残っています。緑内障の特性として初期の自覚症状が非常に少ないという点です。したがって多くの患者さんが一般人の中に診断されずに埋もれていることが問題です。一般の方に緑内障という疾患の存在を知ってもらうという活動が極めて重要であると考えます。その意味でライトアップinグリーン運動の緑内障啓発効果に大いに期待しています。


Ⅳ.終わりに
 日本緑内障学会が今年3月6日から12日に実施するライトアップinグリーン運動を中心に緑内障の啓発活動について記述しました。3月上旬にグリーンにライトアップされたランドマークを見たら思い出していただけると幸いです。こうした活動で一人でも多くの緑内障患者が早期に発見されることになれば本望と考えています。


2015年 グリーンライトアップ運動 試験実施

2015年から、初の試みとして「緑内障」にちなんで各地のランドマークを緑内障のシンボルカラーでライトアップする「グリーンのライトアップ運動」を実施しました。この試験実施は、緑内障の啓発活動として、有用と判断され、2016年より、このライトアップ運動は、日本緑内障学会の公式事業になりました。

 

 

場所日時主催・共催後援等
多治見市役所駅北庁舎
(岐阜県多治見市)
2015/03/08 ~
2015/03/14
日本緑内障学会
多治見市
多治見ライオンズクラブ
岐阜県医師会
岐阜県眼科医会
多治見市医師会
名古屋テレビ塔
(名古屋市中区)
2015/03/08 ~
2015/03/14
日本緑内障学会
第26回日本緑内障学会
愛知県眼科医会
協力:愛知県
通天閣
(大阪市浪速区)
2015/3/08 ~ 緑内障フレンドネットワーク

協賛:
大塚製薬株式会社
興和創薬株式会社
千寿製薬株式会社
参天製薬株式会社
日本緑内障学会
虎ノ門ヒルズ
(東京都港区)
2015/03/08 ~
2015/03/14
札幌テレビ塔
(札幌市中央区)
2015/03/08-
2015/03/14

2016年 日本緑内障学会 ライトアップ in グリーン運動

地区場所ライトアップする対象ライトアップ日程点灯時間
北海道北海道札幌市札幌テレビ塔3月6日(日) 17時30分~21時30分 (*1)
東北宮城県仙台市仙台スカイキャンドル3月7日(月)日没~24時
秋田県秋田市セリオンタワー 3月6日(日)~31 日(木)16時30分~22時30分
関東・甲信越新潟県新潟市新潟日報 メディアシップ3月8日(火)17時~22時
栃木県宇都宮市原眼科病院3月6日(日)~12日(土)17時~翌朝6時
東京都千代田区 鉄鋼ビル(地下フロア)3月6日(日)~12日(土)6時~24時30分
東京都港区虎ノ門ヒルズ3月6日(日)~12日(土)19時~24時
東京都渋谷区渋谷ヒカリエ3月6日(日)~12日(土)17時30分~25時
神奈川県横浜市横浜マリンタワー3月8日(火)日没~24時
中部・北陸愛知県名古屋市名古屋テレビ塔3月6日(日)~10日(木)日没~23時
岐阜県多治見市多治見市役所 駅北庁舎3月6日(日)~12日(土)日没~23時
石川県金沢市金沢城公園 石川門3月9日(水)日没~22時
関西京都府京都市京都タワー3月10日(木)17時30分~22時
大阪府大阪市通天閣3月10日(木)18時~23時
兵庫県神戸市神戸ポートタワー3月9日(水)~11日(金)日没~23時30分
  〃MOSAIC大観覧車3月9日(水)~11日(金) 日没~23時30分 (*2)
中国・四国広島県広島市広島城3月11日(金)日没~21時30分
愛媛県松山市 松山城 3月11日(金) 日没~23時
  〃 いよてつ高島屋大観覧車 3月11日(金) 18時~22時
九州 熊本県熊本市熊本城3月12日(土)日没~23時

*1)18:45~19:15および19:45~2015は通常点灯  *2)毎時00分および30分から各3分間点灯

全日空では各地のライトアップイベントを一部路線の機内放送にてアナウンスしていただいております。

 

 

■実施主体
 日本緑内障学会 世界緑内障週間 ライトアップ in グリーン実行委員会
 委員長 桑山泰明 日本緑内障学会理事

■後援
 公益財団法人日本眼科学会、公益社団法人日本眼科医会

■協力団体・企業
 アールイーメディカル(株)、大塚製薬(株)、カールツァイスメディテック(株)、
 クリュートメディカルシステムズ(株)、興和創薬(株)、参天製薬(株)、
 (株)シード、ジャパンフォーカス(株)、千寿製薬(株)、全日本空輸(株)、
 (株)東急エージェンシー、(株)トプコンメディカルジャパン、(株)ニデック、
 日本アルコン(株)、(株)日本点眼薬研究所、(株)はんだや、(株)ビーライン、
 緑内障フレンド・ネットワーク   ※以上、アイウエオ順

■連絡先

 日本緑内障学会
 「世界緑内障ライトアップin グリーン実行委員会事務局」
 〒270-2218 千葉県松戸市五香西3-24-3
 TEL:047-710-4670

 FAX:047-710-4671

 



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